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バーン=ジョーンズ-英国19世紀末に咲いた華@兵庫県立美術館

Burnejones
 ラファエル前派を好きになったのはいつのことだろう。ウィリアム・モリスやケルムスコットプレス絡みではないかと思う。昨年の9月も会社の旅行でたまたま行った鹿児島でラファエル前派の展覧会を見ている。その時の記事にも書いたように基本的にバーン=ジョーンズが一番好きなので、今回の展覧会は期待。

 今回の展示構成は時系列というよりテーマやモチーフを前面に押し出したもので、ラファエル前派という視点からではなく、あくまでもバーン=ジョーンズ個人を取り上げたという印象が強い。また、完成した作品だけではなく、その構想段階の習作も含めて展示されているのが興味深い。

 展示されている作品は、バーミンガム美術館所蔵のものを中心とし、そこに他の美術館所蔵のものを補完的に加えている。前述のようにラファエル前派との関連性はそれほど示されていないが、ウィリアム・モリスとの協力関係については、バーン=ジョーンズ作品に基づいてウィリアム・モリス商会が制作したタペストリやケルムスコット・プレス出版の書籍等で示されている。

 印象に残ったものをあげてみると、タイルの下絵だがミノタウロスのラブリーさが微笑ましい。仔虎が「ミノタウロスというのは「ミノス王の牛」ということなんや」と最近、トマス・ブルフィンチの本(旧版・私が淳心時代に読んでいたもの)から仕入れた蘊蓄を披露。聖ゲオルギウスの毒竜退治については、竜が「あまりにも小さい」ことに仔龍からブーイング、「こんな小さなのに脅かされていたの?」。画面の制限もあるし、スケール云々の話ではないと思うぞ、我が子よ。怪物退治の迫力と言うことであれば、ペルセウスがあるではないか、描かれた海蛇はゲオルギウスの毒竜よりドラゴンらしさがあるし。

 侍女一人一人の習作とそれらが組み合わされた「いばら姫」連作とか「ピグマリオン」連作は目玉作品であることもあるが、やはり印象的だ。後者についてはモデルになった女性との関係も解説にあったが、師匠のロセッティもモリス夫人と似たようなことになったのではなかったか。でも、私が一番気に入ったものは、バーン=ジョーンズの絵画そのものよりも、実際の歴史上では完成しなかった挿画入りの『クピドとプシュケの物語』を残された版木、復刻鋳造した活字、特製の紙をもって本として受肉させたコレクターの業の深さであった。

 ところで、「美、上手(じょうず)」というコピーは誰が考えたのだろう。確かに気にはなるコピーだが、言うなればノドに引っかかった魚の骨みたいなもので、ない方が良かったのではないか。

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